腰痛になってしまった!なんで痛くなったのか、どうして痛いのかよくわからない。
なんで腰が痛くなるの??
本記事ではこのようなお悩みに答えます。
結論から言うと腰痛はどの動きによって出る腰痛なのかによって対応策がまるっきり変わってきます。
そのため、まずはどの動きで痛むのかを把握しましょう。
この記事を書いている私は、リハビリのプロである理学療法士であり、さらにスポーツシューフィッター最上位資格のペディキュールポドローグ、トレーニング指導のプロのCSCSという資格を有しています。
上記資格に加え今までに1万回以上の運動指導をしているので、記事の信頼性はあると思います。
腰痛がなぜ起こるのか?
— 大内翔太@理学療法士・パーソナルトレーナー (@pt_cscs_shota) December 15, 2023
原因を知れば解決方法も自分の生活を振り返ることで見つかるかもしれません。
具体的には曲げる、反る、捻る、横に倒すの動き。
また、どんな精神状態や作業中なのか?
問題となる動きが見つかればその動きを極力減らす工夫をして動いていくことで痛みは減るかもしれません。
はじめに
腰痛に悩む人は下のグラフを見てわかるようにかなりの割合に及びます。国民病といっても過言ではないほどの割合のため、対策が必要とされています。
(平成22年国民生活基礎調査の概況より)
そんな腰痛ですが簡単に分類分けがされています。
腰痛の種類について
おおまかにわけて腰痛は以下の2種類あります。
- 原因のわかる腰痛(特異的腰痛)
- 原因のわかりにくい腰痛(非特異腰痛)
上記2つはどういう腰痛か解説していきます。
原因のわかる腰痛(特異的腰痛)
医師の診察および画像の検査(X 線や MRI など)で腰痛の原因が特定できるものを特異的腰痛
厚生労働省「腰痛対策」より抜粋
原因のわかる腰痛は厚生労働省により以上のように定義されています。
つまり「腰椎椎間板ヘルニア」や「腰部脊柱管狭窄症」、「腰椎圧迫骨折」など画像で見て原因がはっきりとわかるものを言います。
これは医師の診断のもと、危険な動作を避けつつ治療を受けていくことになります。
原因のわかりにくい腰痛(非特異的腰痛)
厳密な原因が特定できないものを非特異的腰痛
厚生労働省「腰痛対策」より抜粋
原因のわかりにくい腰痛は厚生労働省により以上のように定義されています。
つまり、X線やMRIを撮っても原因がはっきりとしないもので慢性腰痛、ぎっくり腰などはこちらに当てはまります。
とくに腰痛の85%はこちらの非特異的腰痛だと言われており、画像上明確な理由はないが症状が似ているために「腰椎椎間板ヘルニア」や「腰部脊柱管狭窄症」と診断されているパターンもあります。
実際に病院で私が診る患者さんたちもこの腰痛のパターンが多いです。
ではそもそもなぜ痛みがでるのでしょうか?
以下で解説していきます。
腰痛の原因となる動きについて
当然のことだと感じるでしょうが以下の4つの動きで腰痛が起きることが多いです。
- 曲げる(屈曲)
- 反る(伸展)
- ひねる(回旋)
- 横に倒す(側屈)
では、それぞれの腰痛がどういった理由で起きやすいのか?
腰痛が起きる際、多くの場合では筋肉や靭帯、関節などで問題が生じています。それにより痛みを感じることが多いです。
それぞれで痛みを引き起こしている場所や原因が違う可能性があります。そのため曲げるのは大丈夫だけど反るのは痛いなどといった問題が生じてきます。
それぞれ以下の4つの要因が複雑に組み合わさって腰痛が起きます。
- 筋筋膜(筋肉や筋肉を包む膜)
- 椎間板(背骨と背骨の間にあるもの)
- 椎間関節(背骨の関節のこと)
- 仙腸関節(骨盤のなかの関節のこと)
それではこれらを踏まえてそれぞれの腰痛をみていきましょう。
曲げたときの腰痛(屈曲型腰痛)
曲げたときの痛みは日常生活のなかで非常に困りますよね。
顔を洗う時に腰が痛い、靴下を履く時に腰が痛い、立ち上がる時に腰が痛いなどなど…
この曲げたときの腰痛は筋肉や筋膜、椎間板、仙腸関節といったものが原因である可能性が高いです。
筋肉が硬ければ突っ張っていたい、椎間板に炎症があれば曲げた時の椎間板への圧力により痛い、仙腸関節に問題があれば周囲の靭帯が腰が曲がるときに張って痛いなど。
それぞれの要因が単一だったり複座に絡み合っていたりして痛みを発生させます。
反ったときの腰痛(伸展型腰痛)
反ったときの腰痛は高いところの物を取りにいくときなどに困りますよね。
この反ったときの腰痛は筋肉や筋膜、仙腸関節に加え椎間関節という場所の痛みがでることがあります。
特に椎間関節は腰を反る動きの際に関節がぶつかり合う形になります。関節面に炎症があればぶつかると当然痛いわけです。
ひねったときの腰痛(回旋型腰痛)
捻ったときの腰痛は後ろを振り返るとき、ゴルフのスイングのときなどに困りますよね。
患者さんからの相談では車での後方確認、自転車乗車時の後方確認など困るという訴えが多いです。
この捻ったときの腰痛は筋肉や筋膜、椎間関節、仙腸関節が問題で起こることが多いです。
また、ひねる動きで痛いかたは後述する横に倒す動きでも痛みがでることがあります。
その理由は背骨にひねりが入るときは同時に横に倒す動きも入っているからです。
横に倒したときの痛み(側屈型腰痛)
横に倒すというのは日常生活ではなかなかないため、これが気になって病院にきたというかたは少ない印象です。
この腰痛の場合は筋肉や筋膜、椎間板、椎間関節、仙腸関節いずれも問題がある可能性があります。
生活習慣や姿勢の影響
生活習慣や普段の姿勢によって腰に負担がかかっている方も多いです。具体例としては以下のもの。
- 猫背
- 反り腰
- 飲酒習慣
- 食事が不規則
- ヘビースモーカー
- 長時間の運転が多い
- BMI25以上の肥満体重
- 重いものを持つことが多い
- 腰を曲げたままの作業が多い
- 作業中に腰を捻る動作が多い
- 座り姿勢で腰が丸まっている
- 重いものなどを持つ際に腰が丸まっているもしくは反りすぎている
こういった方の場合は生活習慣の見直しや姿勢の改善を図るのも有効です。
ではなぜ姿勢が崩れるのか?生活習慣によって骨の変形などとともに自然と崩れることもありますが、筋力や筋柔軟性の不均衡によって起こり始めることも多いです。
筋力不足と腰痛の関係
前述したように筋力不足により姿勢が崩れ腰痛につながることがあります。
しかし、それだけでなく腹圧といってお腹の力によって加わる圧の不足により腰周囲の安定性が低下して腰痛につながることもあるとされています。コルセットはこの腹圧の補助に役立つとされており、コルセットにより腰痛が軽減されるかたはこの腹圧を鍛えていくことが重要となる可能性が高いです。曲げる、反る、捻る、横に倒すどれにも影響が出るのがこの腹圧となります。
特に注目されやすい筋肉としては腹横筋です。これは身体の動きに先立って働き身体を安定性させる機能があります。腰痛がある人はこの機能が弱くなっている可能性があります。さらに腰痛の方はこの筋肉の厚みが通常より薄くなっているという報告もあります。
特にこちらの文献では安静時の腹横筋圧の違いが指摘されています。結論では触れていませんが動きはじめの腰痛に関連しているのはこの動き出す前の腹圧の厚みの差にあるのかもしれないと感じる内容です。
さらに腰痛がある人は身体を動かす速度が早い方が腹圧の異常があることがこちらの文献からわかります。
これらから腰痛のある方は腹圧を鍛えることが大切だと考えられます。
関節可動域不足と腰痛の関係
- 前屈が硬い(前屈して指先が足首まで届かない)
- 股関節が硬い(伸びない、曲がらない、捻れない)
- 背骨の動きが硬い(伸びない、曲がらない、捻れない)
腰痛を密接に関連する身体の硬さは以上のものです。腰の硬さはもちろんですが、股関節や肩甲骨周りの背骨にあたる胸椎も非常に重要となります。
人の身体は上手くできていて硬くなった部位があるとその代わりに隣接する関節を動かすことによって動作を遂行することができます。腰痛の方は胸椎や股関節が硬いことによって腰が動きすぎてしまった結果として痛くなっていることも少なくないです。
そのためストレッチが非常に重要となります。
ストレスと腰痛のつながり
- 疲労感が強い
- 不安感が強い
- 不規則な生活
- イライラ感が強い
- 仕事の働きがいがない
- 仕事・生活の満足度が低い
- 自覚的に身体的負担度が高い
- 狭く窮屈な作業空間での仕事
- 心理的ストレスの強い仕事(危険な作業など)
近年ではこれらの心理的なストレスも腰痛の原因になるとされています。そのため、適度な運動や趣味活動などでストレス発散を心がけるのも腰痛に対しては重要となります。
場合によっては転職もする必要が出てくるかもしれません。
まとめ
これで原因がなんとなくわかりましたね。
原因がわかれば対処法も考えることができると思います。
なぜ腰痛が起きるのかがわかれば、それに気をつけて生活することで腰痛の予防・改善に繋がります。
また、簡単な改善のアドバイスとしては
- 硬いところはマッサージやストレッチ
- 弱いところはトレーニング
を行っていきましょう。
ストレッチやマッサージ、リハビリに便利な道具が欲しい方はこちらを参照ください。
腰痛改善のヒントには下記の記事をご覧ください。 本記事ではこのようなお悩みに答えます。 結論から言うと腰痛は痛みが出た直後は痛み止めで痛みを抑えつつ動きましょう。寝たきりはダメです。さらにどの動きで痛むのかを把握しましょう。それによりストレッチや筋 ...
腰痛の改善方法について【効果的な運動と気をつけるべき動作】
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この記事は横浜・湘南エリアで理学療法士・パーソナルトレーナーとして活動している大内翔太がまとめました。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
引用とリンク
脊柱理学療法マネジメント 病態に基づき機能障害の原因を探るための臨床思考を紐 [ 成田崇矢 ]
座位作業を主体とした女性従事員の職業性腰痛と心理・社会的要因および生活習慣との関連性について