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猫背の根本原因と効果的な改善方法の一例:健康的な背中を取り戻す

大内翔太

横浜湘南エリアで活動する理学療法士・パーソナルトレーナーです。 整形外科クリニックとジェクサー横浜で活動中。 リハビリテーション、コンディショニングを専門に行っています。 痛み、姿勢、歩行などの改善に関してはご相談ください。

猫背ってそもそもなんでなるの?

本記事ではこのようなお悩みに答えます。

結論から言いますと、筋力や身体の柔軟性、骨自体に問題があり猫背になっている可能性があります。

筆者は整形外科クリニックとスポーツジムで勤務している理学療法士×パーソナルトレーナーです。日常的に医学的な知識や健康、トレーニングに関する知識を利用し指導しています。

猫背により生じる症状

猫背により身体には多くの問題が生じる可能性があります。

例えば猫背になることで呼吸器機能が低下1)3)します。それにより酸欠状態になりやすくなり全身持久力の低下に繋がる可能性があるのです。

さらに姿勢が前のめりになることで転倒リスクが増えたり4)5)、尻もちやドスンと座るだけで脊椎圧迫骨折が起こることも6)あります。

猫背が引き起こす症状に関してさらに知りたい方はこちらをご覧ください。

猫背の原因

以下の原因により猫背になりやすくなります。

  • 脊柱の変形
  • 椎間板の狭小化
  • 骨粗鬆症による脊椎圧迫骨折
  • 体幹筋力低下
  • 脊椎可動域制限(柔軟性の低下)

それぞれの原因についてみていきましょう。

脊柱の変形

脊椎の変形は60代以降は生じやすいです。いわゆるシニア世代。

骨棘とよばれるものが生じることが多くX線を撮ることで確認することが可能です。

原因としては以下のものが挙げられます。

  • 骨密度7)
  • 体重やBMI7)
  • 加齢に伴う退行性変化7)
  • 不良姿勢の持続や背骨に負担がかかるような姿勢での繰り返しの作業7)

加齢は止められません。そのため、変形の予防には骨密度を維持することや体重コントロール、不良姿勢をとらないことが有効になるかもしれません。

椎間板の狭小化

椎間板が狭くなるのは加齢によるものです。椎間板内の水分量は加齢とともに減少していきます。それにより幅が狭く変性していってしまうのです。

さらに骨密度が関連することも報告7)されています。そのため、椎間板の狭小化も骨密度に気をつけることが有効になるかもしれません。

骨粗鬆症による脊椎圧迫骨折

骨粗鬆症による脊椎圧迫骨折は様々な要因で起こります。

  • 尻もちをついた
  • 重いものを持ち上げる
  • 座る時に勢いよくドスンと座る
  • 無理な体勢で力の要る作業をした

などなど。痛みを感じることもありますが、いつのまにか折れてしまっていることもあります。

これらが原因で例えば脊椎の前側が多く潰れてしまったとします。そうすると自然と身体は前側に傾き猫背となります。

体幹筋力低下

体幹筋力低下は猫背の最も大きな原因となります。起こりうるものは以下のもの。

  • 正しい姿勢での作業を続けにくくなる
  • 背筋力低下により身体が伸ばしにくくなる
  • 筋力低下により疲れやすくなり運動量が減る
  • 動作をコントロールできなくなりドスンと座ってしまう
  • 身体を支える力が弱いことで背骨に負担がかかり変形のリスクが高まる

などなど。挙げだすとキリがないほど問題が起こります。当然猫背以外にも多くの症状の原因となります。

脊椎可動域制限(柔軟性の低下)

脊椎可動域制限というのはつまり身体が硬い状態です。猫背になる方は背骨の中でも特に胸椎が硬くなっている方が多く見受けられます。

原因としては運動不足や背筋力の低下、不良姿勢の持続が考えられます。

特にデスクワークで背中が丸まりやすい人は注意が必要。仕事のあとや休憩時間で伸びる運動を行わないことでそのまま硬くなってしまっていることは多いです。

猫背への対策

ここまで挙げた原因の中でも脊柱の変形、椎間板の狭小化、骨粗鬆症による脊椎圧迫骨折は一度起こると治すのは難しいです。なぜなら骨や椎間板そのものが変形してしまっているから。

しかし、筋力低下や可動域の制限に関しては運動することによって改善が可能です。

骨粗鬆症に関してはそれを意識した栄養摂取や運動を行うことである程度の予防が可能となります。骨粗鬆症によるいつの間にか骨折を防ぐ為にも定期的な整形外科での骨量検診が必要です。

DEXAという検査をするのが一般的です。

猫背に効果的な運動の一例

ダイアゴナル

この運動は腰を伸ばすための多裂筋や体幹を安定させるための内腹斜筋、腹横筋がトレーニングできます。(下記参考文献より)


理学療法プログラムデザイン [ 市橋 則明 ]

ベーシックセブン

長屋 海紗樹らによるとストレッチポールでのエクササイズ「ベーシックセブン」を行うことで座っている時の猫背が改善した2)とされています。

ベーシックセブンは疲れず簡単で、効果も認められているため素晴らしい運動のうちの1つです。

ストレッチポールさえあれば誰でも簡単に出来ますのでぜひ試してみてください。ストレッチポールをお持ちでない方は下記リンクから購入しましょう。


LPN ストレッチポールEX(ネイビー) スタートBOOK、エクササイズDVD付き 1年保証

ストレッチポールについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

まとめ

猫背の原因は骨や椎間板の変形や運動不足です。猫背対策として自分でできるものは適度な運動や日頃から良い姿勢を心がけることになります。

ケアの道具の1つとしてストレッチポールをご紹介しました。その他のストレッチやトレーニング機器にも興味がある方はこちら2つの記事をご覧ください。

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この記事は横浜・湘南エリアで理学療法士・パーソナルトレーナーとして活動している大内翔太がまとめました。ここまで読んでいただいてありがとうございました。

引用とリンク

1)伊藤 弥生, 山田 拓実, 武田 円::円背姿勢高齢者の呼吸機能及び呼吸パターンの検討.理学療法科学.2007;22(3):353-358

2)長屋 海紗樹, 平野 恭平, 近藤 由実, 他:要支援・要介護高齢者におけるストレッチポール上での運動が脊柱後弯変形に及ぼす即時的効果.栃木県理学療法士会学術大会抄録集.2022;26:087

3)武田 広道, 山科 吉弘, 田平 一行:模擬的円背姿勢が呼吸機能と随意的咳嗽力に与える影響.理学療法学.2020;47(1):20-26

4)坂光 徹彦, 浦辺 幸夫, 山本 圭彦:脊柱後彎変形とバランス能力および歩行能力の関係 .理学療法科学.2007;22(4):489-494

5)森藤 武, 嶋田 智明, 阪本 良太, 他:脊柱後彎変形患者における脊柱伸展可動性とバランス,歩行能力との関係.理学療法科学.2010;25(5):735-739

6)松田 英希, 藤沢 美由紀, 綱島 敬:脊椎圧迫骨折を呈した脳卒中片麻痺患者の受傷機転に対する一考察.理学療法学Supplement Vol.33 Suppl. No.2 (第41回日本理学療法学術大会 抄録集).2006;セッションID: 353

7)中村利孝:高齢者の脊椎変形と骨粗鬆症.日職災医誌.2003;51(3):172-176

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