内部障害

健康診断で腎臓がひっかかったあなたへ【腎臓機能に関してまとめ】

健康診断と薬

健康診断で腎臓が悪いと言われました。
腎臓ってそもそも何をするんだっけ?

本記事ではこのような悩みに答えます。

腎臓の主な機能は、血液の濾過、老廃物・過剰な水分・電解質の排出、血圧調整です。
この腎臓が悪くなる主な原因は生活習慣や食習慣の乱れ
タンパク制限や塩分制限、水分制限、カリウム制限、リン制限、腎臓の状態に応じた運動コントロールが重要です。

そんな腎臓ですが本記事ではどのような機能があるのか。どのような基準値に気をつけるといいのかをまとめました。

この記事を書いている私は、リハビリのプロである理学療法士であり、さらにスポーツシューフィッター最上位資格のペディキュールポドローグトレーニング指導のプロのCSCSという資格を有しています。
上記資格に加え今までで1万回以上の運動指導をしているので、記事の信頼性はあると思います。

※本記事は5分くらいで読み終わります。

健康診断で腎臓がひっかかったあなたへ【腎臓機能に関してまとめ】

腎臓
健康診断で腎臓の値が悪いといわれ、生活に気をつける必要が出ている人は多いです。
タンパク質や運動に関して制限を設けられた人もいるでしょう。
ではそもそも腎臓が悪くなるとどうなるのかご存知でしょうか?
今回は腎臓について指摘されたかたのために腎臓の機能に関して簡単にまとめました。

腎臓の機能

腎臓の主な機能は以下のものです。

  • 血液の濾過
  • 老廃物の排出
  • 過剰な水分の排出
  • 電解質の排出
  • 血圧調整

つまり身体の中の不要なものを排出し体内を綺麗に保つ機能があります。
この機能が悪くなると体内の毒素が抜けなくなるため非常に危険です。

血圧調整は腎臓のナトリウム排出、レニン分泌の機能によって行われています。
ナトリウムが排出されると血圧は下がり、排出量が低下すると血圧が上がります。
レニンは血圧が下がると分泌され、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系の活性化を介して血圧が上昇します。

腎臓の構造

この腎臓ですが、左右に1つずつあります。
位置はおおよそ12番目の胸椎から3番目の腰椎、骨盤よりやや上あたりに位置しています。
実は右の腎臓の方が肝臓の大きさの影響で左よりやや下にあります。
炎症を起こすと腰が痛く感じるので腰痛と勘違いしてしまうことも
この痛みは場合によってはほとんど動けないほど痛くなり、吐き気が生じることもあります。

1日に健常の腎機能者で1,500ml程度の尿量があるとされています。

腎臓で濾過されたものが排出されるまでは腎臓内の以下の部位を通っていきます。

尿が排出されるまで

  • ネフロンで血液から尿の産生
  • 集合管
  • 小、大腎杯(じんぱい)
  • 腎盂(じんう)
  • 尿管
  • 膀胱(ぼうこう)

血液を綺麗にするにあたり一番最初のネフロンが重要となります。
このネフロンのなかの糸球体という組織で血液から尿が産生されるのです。
このネフロンは血を濾過する腎小体と、濾過した液体を通す尿細管にわけられます。
さらに腎小体は2つ、尿細管は3つにわけれます。
それが以下のもの。

腎小体

  • 糸球体
  • ボウマン嚢

尿細管

  • 近位尿細管
  • ヘンレ系蹄
  • 遠位尿細管

そして、血液から尿が排出されるまでは以下の流れです。

血液が尿になり、排出されるまでの流れ

  • 血液が糸球体で濾過され、血球とタンパク以外が原尿になる
  • 原尿がボウマン嚢から尿細管へ流れる
  • 近位尿細管で糸球体を濾過した物質(ナトリウム、水、グルコース)の大半が再吸収され血液に戻る
  • ヘンレ係蹄によりナトリウム、カリウム塩化物は細胞膜のポンプ機能で再吸収される
  • 残りの液体は遠位尿細管を進み、尿細管が集まった集合間に入る
  • 集合管に入った液体が尿として排出

腎機能の検査値

腎機能評価は血液検査によって尿素窒素(BUN)、血清クレアチニン(Scr)が測定されます。
ほかにも指標としてクレアチニンクリアランス(Ccr)推定糸球体濾過量(eGFR)が用いられています。

尿素窒素(BUN)

腎機能や肝機能(タンパク代謝)の障害をチェックする代表的な検査の1つです。
BUNの基準値は8〜21mg/dl

高いと腎不全、脱水、浮腫、閉塞性尿路疾患など。常時50mg/dl以上だと腎不全、100mg/dl以上だと尿毒症の疑いがあります。
腎障害では障害が大きいほど高値となりやすいです。
その他には高タンパク食摂取や感染症、悪性腫瘍、糖尿病、甲状腺機能亢進症、外科手術、消化管出血など。

低いと肝不全、肝がんなどが疑われます。
その他には低タンパク食摂取、妊娠末期、慢性腎不全、マニトール利尿、尿崩症などで値が低くなりやすいです。

血清クレアチニン(Scr)

腎機能を知る指標となります。透析導入時期の目安にも使われます。
基準値は男性0.61~1.04mg/dl、女性0.47~0.79mg/dl

高いと腎炎、腎不全、尿毒症、前立腺肥大、腎臓結石、腎盂腎炎などが疑われます。
そのほかの原因は脱水、浮腫、火傷、心不全、ショック、末端肥大症、巨人症など。

低いと筋ジストロフィー、多発性筋炎、糖尿病性腎症初期、妊娠中であることが疑われます。
そのほかの原因は尿崩症、大量輸血、人工透析など。

尿素窒素(BUN)と血清クレアチニン(Scr)の比は、おおよそ10:1です。

クレアチニンクリアランス(Ccr)

クレアチニンクリアランスは腎臓がクレアチニンを含む血液を1分間に濾過する能力を示しています。
基準値は男性90〜120ml/分、女性80~110ml/分。
正常の腎臓では1分間に約100mLの血液濾過が可能。
評価をする際には他に超音波検査、腹部単純撮影、経静脈性腎盂造影、アイソトープ検査、腎生検などがあります。

高いと糖尿病性腎症初期、ネフローゼ症候群、末端肥大症などが疑われます。
そのほかの原因としては妊娠中や発熱時、高タンパク食が続いた時、激しい運動の後などです。

低いと腎疾患、膠原病による腎障害、尿路閉塞による腎障害などが疑われます。
そのほかの原因として血圧や腎血流の低下(ショック、心不全、本態性高血圧など)や脱水、低タンパク食、シメチジンなどの薬剤服用で下がります。

クレアチニンクリアランスによる基準値を以下に表にまとめました。

腎機能分類 クレアチニンクリアランス(mL/分)
腎機能 正常 >90
腎機能 軽度低下 71~90
腎機能 中等度低下 51~70
腎機能 高度低下 31~50
腎不全期 11~30
尿毒症期 <10

推定糸球体濾過量(eGFR)

血清クレアチニン値、年齢、性別から推算するものです。
やや難しいですが以下の計算式です。

194×血清Cr-1.094×年齢-0.287 (女性の場合は×0.739)

正常で数値は90以上。
eGFRによる基準値を下の表にまとめました。

eGFR値(ml/min/1.73m²) 腎機能
90以上 正常
60-89 軽度の腎機能低下
30-59 中等度の腎機能低下
15-29 高度の腎機能低下
15未満 末期腎不全

主な腎疾患

主な慢性腎疾患としては慢性糸球体腎炎や糖尿病腎症、ループス腎炎、腎硬化症・高血圧性腎症などがあげられます。
腎不全は急性腎不全と慢性腎不全に分類できます。
腎不全が侵攻すると尿毒症が現れます。
症状は患者ごとに異なり全ての症状が出るわけではないとされています。
ここまでくると生命活動維持のために透析もしくは腎移植が必要です。

慢性糸球体腎炎

糸球体の障害で腎臓の機能が徐々に低下する病気の総称。
以下の5つに分類されます。

  • 急性腎炎症候群
  • 持続性尿蛋白・血尿症候群
  • 慢性腎炎症候群
  • ネフローゼ症候群
  • 急速進行性腎炎症候群

糖尿病腎症

糖尿病で高血糖が続くと糸球体の毛細血管が硬くなります。
それによって血液透過能力が低下するというものです。
初期症状は尿にタンパクがでるのみ。
進行すると、尿中に大量のタンパクが出るようになり、血液中のタンパク質が減少。
むくみや疲れやすさがでてきます。

ループス腎炎

自己抗体の産生と免疫複合体の全身組織への沈着を特徴とする。
全身性エリテマトーデスという自己免疫疾患にある糸球体病変をループス腎炎とよぶ。

腎硬化症・高血圧性腎症

高血圧により腎臓の細動脈狭窄、糸球体毛細血管壁の蛇行が生じて腎血流が減少し、血液濾過機能が低下する。
臨床的には高血圧性腎症と同意義に扱われる。

急性腎不全

急激に腎機能が低下し、体内の代謝物や老廃物の排泄、電解質バランスの維持が難しくなった状態。
こちらは理学療法いわゆるリハビリの対象にはなりません。

慢性腎不全

腎疾患の影響で徐々に腎機能が障害されることにより生じます。
eGFRの欄で記載した表のGFR<15mlの状態を腎不全といいます。 腎不全が進行することで尿毒症が生じます。 症状としては初めは無症状のことが多いです。 しかし、徐々に以下のような症状が現れます。

  • 食欲低下
  • 吐き気
  • 疲れやすい
  • むくみ
  • 体重減少
  • 高血圧
  • 蒼白
  • 不眠
  • かゆみ
  • 頻尿など

症状が進行し、合併症が出始めるとさらに多くの症状がでてきます。
例としては以下のもの。

  • 呼吸困難
  • 著しい血圧上昇
  • 激しい嘔吐
  • 衰弱
  • けいれん
  • 意識障害
  • 致死的な不整脈など

腎臓が悪くなっていくと最悪命を落とすことにもつながりかねないです。

腎疾患の治療について

腎臓が悪くなる主な原因は生活習慣や食習慣の乱れ。
食事の改善や制限が必要です。
それはタンパク制限や塩分制限、水分制限、カリウム制限、リン制限。
さらに腎臓の状態に応じた運動コントロールが重要です。
具体的な内容に関しては下記の記事をご覧ください。

まとめ

腰が痛む男性
腎臓機能に関してまとめました。
機能としては血液の濾過や老廃物の排出、過剰な水分の排出、電解質の排出、血圧調整が重要です。
指標としては尿素窒素(BUN)や血清クレアチニン(Scr)、クレアチニンクリアランス(Ccr)、推定糸球体濾過量(eGFR)が重要な指標となります。

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この記事は横浜・湘南エリアで理学療法士・パーソナルトレーナーとして活動している大内翔太がまとめました。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。

参考文献


内部障害理学療法学テキスト(改訂第3版) (シンプル理学療法学シリーズ) [ 細田 多穂 ]


ハローキティの早引き検査値・数式ハンドブック第2版 オールカラー [ 西崎統 ]

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