リハビリ

五十肩の原因と改善方法【痛みが強い疼痛期・急性期について】

大内翔太

横浜湘南エリアで活動する理学療法士・パーソナルトレーナーです。 整形外科クリニックとジェクサー横浜で活動中。 リハビリテーション、コンディショニングを専門に行っています。 痛み、姿勢、歩行などの改善に関してはご相談ください。

肩痛の女性

最近肩が痛み始めました。ひどい時は寝てても痛い!
じっとしていてもジンジンとすることもあって落ち着かないです。
どうしたらいいの?

本記事ではこのような悩みに答えます。

結論からいうとじっとしているときや、寝ている時も痛む方はとにかく炎症を抑えましょう。
日常生活では痛みが出やすい動きが多いので極力痛くないように動かしていきます。
さらに首や肩、背中はしっかりとマッサージをしておきましょう。
コリを作ってしまうのも炎症が取れにくい原因のひとつとなります。

この記事を書いている私は、リハビリのプロである理学療法士であり、さらにスポーツシューフィッター最上位資格のペディキュールポドローグトレーニング指導のプロのCSCSという資格を有しています。
上記資格に加え今までで1万回以上の運動指導をしているので、記事の信頼性はあると思います。

※本記事は3分くらいで読み終わります。

五十肩の原因と改善方法について

肩痛の男性

五十肩になると何もしていなくても肩が痛い、夜寝てても痛みが目が覚める、腕が上がらないなどなど・・・
多くの症状に悩まされますよね。
放っておけば治るなんてことを聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?

しかし、痛みはやはり耐えがたいものです。
出来れば痛みなく過ごしたいと思う人は多いはず。
さらに放置した結果、肩が固まって動かなくなってしまい手術が必要なる場合もあります。

そんな五十肩について解説していきます。

五十肩とは

五十肩と一言言ってもその言葉の中には多くの肩関節疾患が含まれています。
一般的にはいわれるこの五十肩は、病院では肩関節周囲炎と診断されていることが多いです。
そのなかには上腕二頭筋腱炎や烏口突起炎、肩峰下滑液包炎、石灰沈着性腱板炎、肩関節拘縮などなど様々な原因が含まれています。

五十肩(肩関節周囲炎)のデータ
好発年齢40〜60歳代
性差男性<女性
腕の左右差利き腕=非利き腕

五十肩の好発年齢は40〜60歳代とされています。
男性よりは女性のほうがやや多いとされている症状です。
利き腕、非利き腕により症状の差はないとされています。
そのため、どちらの肩に症状がでてもおかしくはないです。

病期が大きく分けて3つにわけることができます。
それは以下の3つ

  • 疼痛期(急性期)
  • 拘縮期(亜急性期)
  • 寛解期(慢性期)

この時期を見極めるのが非常に重要となります。
なぜなら、この病期によって対処方法が全く異なるからです。

ではこれらの炎症はなぜ起きるのか。どう改善したらいいのか。
ということについて解説していきます。

特に今回は疼痛期(急性期)について特化して解説していきます。

五十肩の原因

そもそもなぜ何もしていないにも関わらず肩が痛くなるのでしょうか?
はっきりとした原因は未だに不明ですが様々な要因があるとされています。

肩関節周囲炎を誘発するものとしては以下のものがあるとされています。

  • 免疫異常
  • 肩甲上神経障害
  • 自律神経障害
  • 肩関節の長期固定
  • 精神障害
  • 内分泌障害(糖尿病など)
  • 生活様式が関与することも

とくに糖尿病ではインストリン依存型糖尿病では4〜6倍の発症率とされています。
これらの影響で肩関節周囲の組織に炎症が起き、固まってしまい動かなくなってしまう。
というのが主な症状となっています。
しかし上記のものに当てはまらないのに痛みが出てしまうような方も多くいるかと思います。
そのためなぜ肩に炎症が起きたのかはっきりとまだわかっていない疾患のひとつとされています。

本記事ではさらに疼痛期の五十肩について掘り下げていきます。

疼痛期の五十肩について

疼痛期の五十肩では最も悩まされるのは痛みです。
これは肩周囲の炎症により生じるものとなります。
この痛みに悩まされる時期は人によってかなり長さに差があります。
それでも、おおよそ2ヶ月〜9ヶ月で炎症が落ち着いてくることが多いとされています。

この肩周囲の炎症により生じるものは以下の通りです。

  • 安静・夜間・運動時痛
  • 痛みの影響で身構えて力が入り続けてしまう
  • 痛みや力が入り続けてしまう影響で関節が動きにくくなる
  • 力が入る続ける影響で血流が悪くなる
  • 長く続く炎症のせいで、普段は痛みを感じない刺激でも痛みを感じやすくなる
  • 関節のなかの圧が陽圧化し肩関節が不安定となる

痛みが続くので眠れない、じっとしていても落ち着かないとストレスフルな状態となりやすいですよね。
特に肩関節が不安定となるのは多大な影響を及ぼします。
それは以下の通りです。

    肩関節が不安定となることで
    →素早いとっさの動きで痛み
    →安静時の痛みにつながる
    →筋攣縮(筋肉に力が入り続ける)ことにつながる

以上の症状すべてのきっかけは炎症です。
そのためこの肩関節の炎症を落ち着かせることがこの時期で何より重要となります。
それではこの炎症はどうやって落ち着かせるのでしょうか。
それを次の項目でまとめていきます。

疼痛期の五十肩の改善方法

改善方法としては主に3つ。

  • 理学療法
  • 薬物療法
  • 注射療法

理学療法では安楽姿勢の指導、運動療法、物理療法、日常生活動作の指導などが含まれます。

薬物療法では痛みを止めるための薬の貼付や内服を行います。

注射療法では関節内注射やハイドロリリースといった関節や筋筋膜の動きをよくするための注射を行います。

本記事では理学療法、いわゆるリハビリテーションについて記載していきます。

安静にする

まず炎症を取るうえで重要なことは安静にすることです。
しかし安静にするということは全く動かさないということではありません。
炎症を助長する刺激を与えないということです。
そのため痛みを感じにくい姿勢や動きをとることとなります。
逆にいうと痛くなければ動かしていいのです。
また、痛い部位や硬い部位をマッサージしましょう。
マッサージをするのに便利なのはトリガーポイント Trigger Point マッサージボール (6.5cm)です。
僕も臨床中使うことが多いです。
特にこの炎症の強い五十肩の人にはよく利用しています。

しかし、このマッサージボールを使っても背中のマッサージはかなりやりにくいです。
そんなときはこの寝ながら背中全体をマッサージしてくれる【soft stone back(ソフトストーンバック)】

が非常に便利です。

これらを使うことでより早く炎症が落ち着くかもしれません。

姿勢

実はこの時期では立ち姿勢や座り姿勢も良い姿勢とは言えないのです、
なぜならば立位や座位では腕が重力に引かれて肩に引っ張られるストレスがかかっているからです。
ですので家にいるときだけでもいいので腕を腕吊りアームホルダーなどで吊ってみてください。
痛みが楽になる方もいるかもしれません。
ご自宅に三角巾があればそれでも構いません。

また、寝ている姿勢にもひと工夫することで楽になる可能性があります。
まず痛い肩を下にして寝るのは避けましょう。

そして仰向けで寝る場合は肩や腕の下にこういった抱かれ枕アーチピローFUNなどを敷くことで少し高さを作ってみてください。
これにより肩にかかるストレスを減らすことができます。

横向きに寝る場合はこのような抱き枕(王様の抱き枕を利用しましょう。
これも肩にかかるストレスを減らすために役立つはずです。

運動

肩関節が動かなくならないようにするため、筋力が落ちないようにするため、血流を改善するため。
様々な理由のために運動も必要となります。
安静にするということと矛盾があるように感じられるかもしれません。
しかし先述したように炎症が助長しない痛くない動きならばしても問題ないのです。

同じ肩でも肩甲骨だけの動きであれば痛みなく動かせることが多いです。
そのため肩甲骨を動かす体操を行うと良いでしょう。
その際にも注意点があります。

まず動かす際は必ずゆっくり動かしましょう。
素早い動きでは関節が不安定になっている影響で痛みが生じやすいです。

以下に運動例の写真を提示します。
動かしてみて痛いものは痛くない範囲で行ってください。
初動から痛い場合は無理をしないようにしてください。
場合によってはこの姿勢自体が無理ということもあると思います。

肩甲骨と体幹の運動

肩甲胸郭関節という肩甲骨と肋骨の間の関節の運動を紹介します。
下の写真はは肩甲骨を上方に動かす運動となります。
なで肩で肩こりに悩む人にとっても非常に有効なトレーニングとなります。
痛くない程度でまずは10回2〜3セットほどから行いましょう。
シュラッグ

こちらは体幹を側屈(横に曲げる)する運動です。
肩が上がっているほうの肩甲骨は上方に、下がっている方の肩甲骨は下方に動きます。

右側屈

左側屈

こちらは体幹を回旋(ひねる)する運動です。
左に向いているときは左肩甲骨は内転(内側)方向、右肩甲骨は外転(外側)方向に動きます。
右に向いているときはその逆の動きとなります。

右回旋

左回旋

腕の運動

正確にいうと肩甲上腕関節という肩甲骨と上腕骨の間の関節の運動となります。
これはこの時期だと人によっては痛みが生じやすいので注意して行ってください。
ポイントとしては以下の通り。

  • しっかりと脱力する。
  • 腕の力は使わず体を動かして腕を振る
  • 痛くなければ軽い重り(1kg程度)をもって行う

それでは運動方法を写真で紹介していきます。
まずはスタートポジションとなります。
※自室が狭いせいで手先が映ってなくてすみません。
コッドマンスタート

こちらの運動では腕を前後に振っていきます。
擬似的に腕を上に上げるような運動となっています。
(肩関節屈曲運動)

下振り

上振り

こちらの運動では体をひねることで肩の水平屈曲、水平伸展という運動を行っています。

水平屈曲

水平伸展

こちらはわかりにくいかと思いますが手首を大きく内と外にひねっています。(回旋運動)
こちらは痛みを感じやすいと思うのでゆっくり動かしてみてください。
痛くなければ続けていきましょう。

回内

回外

まとめ

元気

五十肩の原因と改善方法を疼痛期・急性期について中心にまとめていきました。
肩関節周囲炎、五十肩は治るまで非常に時間がかかるケースも多いです。
まず炎症をしっかりと治すことが重要になります。
この時期にどれだけ炎症をはやく落ち着かせることができるかが長引かせないために重要だと考えています。

そのためにはマッサージが重要となります。
その際に便利なマッサージ道具を集めたので興味があればご覧ください。


本記事により、あなたの生活が五十肩に悩む生活から解放されることを願います。

五十肩に変化がない、もしくは悪くなるようならお近くの整形外科や理学療法士などの専門家に相談してみてください。
あなたの五十肩が改善へと向かい生活の質がよりよくなることを願っています。

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この記事は横浜・湘南エリアで理学療法士・パーソナルトレーナーとして活動している大内翔太がまとめました。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。

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